「最近、なんだか疲れが取れなくて……」「甘いものが欲しいけど、体には気を遣いたいな」そんな風に感じることはありませんか?
毎日を忙しく過ごす私たちにとって、ほっとひと息つけるおやつは至福の存在。そんなおやつタイムの新しい選択肢として、とある「茶色のフルーツ」がじわじわと注目を集めているのをご存じでしょうか。
そう、デーツです。「お店で見かけたことある!」「もう食べた!」という方もいらっしゃるかもしれません。
2025年の大阪・関西万博でも、中東の国のパビリオンで紹介され大人気となっていたデーツ。「名前は聞いたことがあるけれど、デーツってそもそも何なんだろう?」と思っている方へ、まずはその魅力を楽しくひも解いてまいりましょう。
砂漠生活の栄養補給源、人気ドラマにも登場?

一見すると、ちょっと地味で素朴な佇まい。しかし、その実態はとてつもない生命力を秘めた「元祖スーパーフード」なんです。そもそもデーツとは、ナツメヤシ(椰子の木の一種)の実のこと。デーツは砂漠の太陽をいっぱいに浴びた過酷な環境で生育し、大昔から砂漠の遊牧民の食を支えてきました。
最近続編が始まったあの大ヒットドラマでも、広大な砂漠を彷徨う過酷なシーンで実はデーツが登場していたようです。体力消耗の極限の中、分けあって口に入れる印象的なシーンで、画面越しにハラハラしながら見守った方も多いことでしょう。
「リアルな砂漠の旅人」たちが荷物に常備する究極のエネルギーフードとも言えるデーツ。 中東の砂漠地帯では古くから「ナツメヤシの木が1本あれば、家族全員が飢えずに生きていける」などと言われてきたほど。アサイーやチアシードといったお洒落なスーパーフードが流行るずっと前から、砂漠を何日も旅するキャラバンの「食」を支えてきた存在。
そんなふうに考えると、この茶色の果実を見る目も変わってくる気がします。
黒糖みたいに濃厚なのに罪悪感なし?デーツが愛される理由

「体に良いのは分かったけれど、デーツみたいなドライフルーツって酸っぱかったり、物足りなかったりするのでは?」と思われるかもしれません。
ご安心ください。デーツを一言で表すならば、まさに「天然のキャンディ」。ひと口かじると、まるで黒糖や干し柿、あるいはキャラメルを思わせるような、まったりとした濃厚な甘みが口いっぱいに広がります。数あるドライフルーツの中でも、とくにその甘みは濃厚な部類です。
こんなに甘いのに「低GI」
驚くべきことに、これだけしっかり甘いのに、デーツは「低GI食品」(血糖値が急上昇しにくい食品)。低GIのものは、お砂糖たっぷりのチョコレートやクッキーを食べたときのような「急激に活発になった気がして、その後ドンと眠くなる……」というケースが起きにくいと言われます。ダイエット中の方や、お仕事の合間の間食でも、強い味方になってくれそうですよね。
参照元:シドニー大学 GIデータベース(The University of Sydney Glycemic Index Research Service)
“お疲れ生活”の現代人の心も掴む
さらに、過酷な環境で育つデーツには、現代人に不足しがちな栄養がぎゅっと凝縮されています。
カリウム: 体のめぐりサポートする栄養素。夕方パンパンな足が気になる時にも。
マグネシウム・鉄分: 女性におすすめの栄養分がフルーツから摂れるのは嬉しい。
食物繊維: お腹の環境を整え、毎日のスッキリを優しく後押し。
サプリを飲むのはちょっと味気ないという方も、美味しいドライフルーツをパクッとつまむだけなら、毎日楽しく続けられそうです。
参照元:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(該当食品:果実類/なつめやし/乾) 参考:厚生労働省 e-ヘルスネット ・カリウム(むくみ・塩分排出) ・食物繊維(腸内環境・整腸作用)
おやつだけじゃない!暮らしになじむデーツの楽しみ
「そのまま食べるのも良いけれど、ちょっとアレンジもしたい!」そんな時におすすめの、すぐにできて満足感のあるアレンジをご紹介しましょう。
💎コーヒーやワインのお供に!大人の「ナッツ&チーズ挟み」
デーツに縦に切れ目を入れ、中にくるみやアーモンドなどのナッツ、あるいはクリームチーズ(お酒好きならブルーチーズも!)を挟むだけ。デーツの濃厚な甘みと、チーズの塩気、ナッツの香ばしさが合わさって贅沢なおつまみに早変わり。見た目も可愛くて、深煎りコーヒーや赤ワインとの相性も抜群です。
💎朝のヨーグルトやグラノーラに、ぽんっと入れて
キッチンバサミでチョキチョキと小さく刻んで、プレーンヨーグルトに一晩漬けてみてください。翌朝にはデーツが水分を吸ってぷるぷるの状態になり、フレッシュに変身。ヨーグルトと自然な優しい甘みがよく合います。漬け込む時間はお好みで。ほかのドライフルーツとの組み合わせもぜひ試してみてくださいね。
ほっとひと息のお茶菓子として、ひと粒添えてみませんか?

万博での華やかな賑わいや、異国の砂漠の光景。そんな遠い世界の話のようでいて、実は私たちの毎日の暮らしをちょっと豊かに、そして元気にしてくれる魅惑のフルーツ。
市販のソースの原料にコクや甘みを加える材料として使われたりもしているそうで、意外と私たちの身近な存在だったこともわかりました。
1日の目安は、だいたい2〜3粒。まずはカバンやオフィスのデスクの引き出しに、お守り代わりに一袋、忍ばせてみませんか?
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お気に入りのコーヒーや紅茶の横に、ちょこんとひと粒のデーツ。
次回2030年の万博の開催国は、世界有数のデーツの生産国でもあるサウジアラビア。そんな遠い異国に思いを馳せながら、砂漠の恵みの豊かな甘さに、心も体もじんわりと解きほぐされる感覚を楽しんでみてくださいね。
◼︎ちょこっとお勉強コーナー◼︎
ここからはデーツのパワーの秘密をもっと詳しく知っていきましょう。
Q.「デーツ」と「ナツメ」の違いは?
A.デーツとナツメの違いについて疑問を持つ方はとても多いです。デーツとは「ナツメヤシ(棗椰子)」の果実のことで、この二つの名称は同じものを指します。名前に「ナツメ」と付きますが、アジアで親しまれる「なつめ(棗)」とは全くの別物です。デーツとなつめの違いを整理すると以下のようになります。
| 項目 | デーツ(ナツメヤシ) | なつめ(棗) |
|---|---|---|
| 植物の種類 | ヤシ科のナツメヤシ | クロウメモドキ科の落葉樹 |
| 原産・地域 | 中東・北アフリカなどの砂漠地帯 | 中国・韓国などのアジア圏 |
| 味・食感 | まったりと濃厚な甘み・ねっとり食感 | さわやかな甘み・サクサクとしたリンゴ風 |
ちなみに茶道でお抹茶を入れて使う「棗(なつめ)」は、「なつめ」の果実に形が似ていることから名付けられたと言われています。
1. 強烈な紫外線から身を守る「抗酸化パワー」
デーツ(ナツメヤシ)が育つ砂漠地帯は、直射日光と激しい紫外線にさらされ続けます。植物は強い紫外線を浴びると、細胞を傷つける「活性酸素」が発生してしまうため、自らを保護するためにポリフェノールなどの抗酸化物質を大量に作り出します。これが、私たちが食べたときにも若々しさや元気をサポートしてくれる力につながるんだとか。
2. 乾燥に耐え抜くための「栄養凝縮」
雨がほとんど降らない環境で、ナツメヤシ(デーツ)は地中深くまで根を伸ばし、わずかな水と豊富な地のミネラル(カリウムやマグネシウムなど)を貪欲に吸い上げます。そして、水分蒸発を防ぎながら実を熟成させていくため、栄養素と天然の糖分がギュッと限界まで凝縮されます。
3. 昼夜の寒暖差が生む「とろけるような甘み」
砂漠は「昼は灼熱、夜は極寒」という極端な環境。植物は厳しい寒さに直面すると、自らの水分が凍ってしまわないよう、細胞内に「糖分」を蓄える性質があります。デーツのまるで黒糖やキャラメルのような濃厚な甘みは、この過酷な寒暖差を生き抜く知恵から生まれたものです。
【出典・参考文献】 栄養成分数値: 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(果実類/なつめやし/乾) GI値に関する研究: Glycemic indices of five varieties of dates in healthy and diabetic subjects (NCBI) 栄養素の働きについて: 厚生労働省「e-ヘルスネット」 環境ストレスと抗酸化成分: Date palm (Phoenix dactylifera L.) fruit as potential antioxidant and antimicrobial agents (NCBI, 2012)



